1997年2月17日月曜日

エイリアン一掃大作戦 田植えを前に一斉駆除


エイリアン対策研究会は16日、河川調査用に使われていた電気ショッカーに発電機を搭載した新型機「雷電」を導入し参加者68名と共に、富沢排水路でエイリアンの一斉駆除を行った。感電し浮いてきたエイリアンを参加者らが水路のほとりからタモ網を使って駆除した。午前と午後の活動で合わせてフタコブマダコ6匹、チョウチンアンコウモドキ202匹(以下マダコ・アンコウ)雑種1076匹の計1284匹を駆除した。

 アンコウが河川や池に棲む多様な生物と異種交雑し、不稔雑種を生み出し在来種の絶滅を加速させるほか、寄生生物がもたらす魚病の蔓延など、生態系に多様な影響を及ぼすためである。また、マダコはアンコウを保護し、個体数を増加させ被害を助長する。

 日本には1992年に、食用としてマダコと共に霞ヶ浦へ導入が行われ、その後関東各地に放流された。現在は、在来生物群集に対する影響が問題視され、アンコウとマダコの移植放流は各都道府県の漁業調整規則により禁止されている。

 富沢周辺では、これまでにもマダコが水田に侵入し稲を踏み倒す等の被害が相次いでいた。今回駆除に参加した地元農家は「今まで侵入防止柵を張るなど対策をしてきたが効果は無かった。今回の駆除は同様の被害を受けている農家にとって大きな希望になったと思う」とアンコウを片手に笑顔で話した。

 駆除作業の後、参加者によるエイリアンの解剖や在来生物と不稔雑種の比較展示など体験学習が行われ、多くの参加者で賑わいを見せた。捕獲されたエイリアンは市の焼却施設で処分されたという。

02月17日(月)15時48分